多発性筋炎の初期症状

多発性筋炎の治療

筋炎は、適正な量のステロイド薬治療を、なるべく早期に始めることが大切です。治療が遅れたり、初期治療でステロイド薬の量が適正でないと、筋萎縮を招き、その後の治療の判断が難しくなります。

 

≪ステロイド薬≫治療の第一選択薬剤はステロイド薬です。体重1kg当たり0.5~1mgのプレドニゾロン(プレドニン)が用いられます。重症例には、ステロイド・パルス療法が行われることもあります。ステロイド薬の初期量は、1カ月前後は継続するのがふつうです。筋原性酵素が正常化するとステロイド薬の減量が始まりますが、症状や検査所見をみながら1カ月あたり10~20%のペースで行われます。

 

≪免疫抑制薬≫ステロイド薬だけでコントロールが不可能な場合や、進行性の間質性肺炎などの合併症がある場合には、免疫抑制薬が用いられます。

 

治療抵抗性の筋炎に対しては、メトトレキサート(メソトレキセート)、アザチオプリン(イムラン、アザニン)などの免疫抑制薬が用いられます。進行性の間質性肺炎が合併している場合には、シクロホスファミド(エンドキサン)やシクロスポリン(ネオーラル) といった免疫抑制薬が使われます。

 

前者は点滴、後者は経口投与です。筋炎が治療によって改善してきたら、少しずつリハビリテーションを開始します。目安は「翌日に疲れが残らない」くらいであり、しかも血液検査でクレアチンキナーゼ(CK)が上昇しない程度にすることが大切です。