多発性筋炎の初期症状

多発性筋炎の症状

●発病はゆるやかです。関節痛だけが、何年か前に先行することがあり、その場合は関節リウマチと似ています。当初は、力が入らなかったり、力が扱けた感じ(脱力)があります。また、筋肉が痛んだり、疲れやすく(易疲労)なりますが、自覚症状がないこともあります。

 

●四肢の近位筋(中心部に近い筋肉)、胴体の筋肉、呼吸筋、嚥下筋(後咽頭筋)などに筋症状が現れます。症状は左右対称に現れるのが特徴で、上肢よりも、下肢の筋力低下のほうがしばしば先にあらわれます。身体がだるく、筋力が極端に落ちて、動くのが困難になり、しゃがんだ姿勢から立ち上がれない、階段の〝上り〟が難しい、バスに乗る時にステップが上がれない、といった「太もも」の症状。髪をとかすときなどに腕が上がらなくなる、物が持ち上げられなくなる、などの「上腕」の症状。寝ている姿勢から頭を上げるのが難しくなる「くび・肩」の症状などが、じわじわと進みます。※なお、階段を〝下りる〟 のが難しくなるのは、多発性筋炎とは違い、遠位筋の病気による症状です。

 

●重症になると、後咽頭筋や胸郭呼吸筋にまで炎症が及ぶことがあります。筋炎では、横紋筋に炎症が起こりますが、のどの奥の食道に近い部分(後咽頭筋)の横紋筋に炎症が及ぶと、物が飲み込みにくくなります。また肋間筋や横隔膜などの呼吸筋の筋力が低下すると、換気不全を起こし、一時的に人工呼吸器が必要になる場合もあります。